フロップのペアボード戦略

リミットホールデム戦略
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フロップの基本戦略記事を見た方は、偏りの少ないボードでは概ね上手く打てるようになったことと思います。

しかしながら、フロップで出てきた3枚のカードが常にバラバラとは限りません。

そこで今回は、フロップのペアボード戦略について解説していきたいと思います。

ただし、テキサスホールデム・リミットルールでの解説ですので、他ルールでは、全てを活用できないことをご了承ください。

 

その他のフロップ戦略を見たい方は、こちらの記事を参照してください。

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取り扱うボード

 

ここで取り扱うペアボードとは、以下のようなワンペアがあるボードのことです。

ボード

ワンペアがすでにありますので、ボードの同じスーツ(マーク)やストレートの連携は常に2枚以下です。

つまり、ペア以外の大きな偏りは出ません。

 

基本的な考え方

 

ボード

自分の手札

相手の手札

上の例では、T(10)のツーペアができており、まあまあのハンドですが、相手のたった1枚の手札により、モンスター級のスリーカードを作られてしまう危険が常に付きまといます。

この辺りがノーペアのボードと違い、難しい点です。

ボード

自分の手札

 

相手の手札

 

上の対決であれば、A がもう1枚出れば逆転しますが、2枚しかないため、基本的な考えとしては、あまり変わらない感じがします。

ここまでツーペア対スリーカードの構図で示しましたが、ボードのカードが2種類しかなく、ノーペアのボードに比べてヒット率そのものが下がっているため、ノーヒット同士の対決も考慮しなくてはいけません。

いずれにせよ難しいボードですが、以下の段落でなるべく簡単に解説していきたいと思います。

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ハンド別戦略

 

ハンド別に戦略を解説していきます。

また、同じハンドでも分けて考えた方がよい場合は、それぞれ別で解説します。

 

フォーカードまたはフルハウス

ベット基準

何回でもレイズして構いません。

4ベット(キャップ、最高ベット)まで突き進みましょう!

コール&フォールド基準

絶対に降りません

 

スリーカード

非常に強いことは確かですが、モンスター級かどうかは手札のキッカーによります。

手札キッカー A ~ Q

ベット基準

何回でもレイズして構いません。

4ベット(キャップ、最高ベット)まで突き進みましょう!

コール&フォールド基準

絶対に降りません

手札キッカー J ~ T(10)

ベット基準

プリフロップでレイズ無しか主導権有りならば、4ベットまでレイズします。

主導権が無い場合は、2ベットまでレイズします。

前のラウンドで最後のベットまたはレイズを行った人が主導権者です。
コール&フォールド基準

絶対に降りません

手札キッカー 9以下

ベット基準

2ベットまでレイズします。

コール&フォールド基準

絶対に降りません

 

ツーペア

かなり細分化しないといけないハンドなのですが、1ページに収まり切りませんので、覚えておきたい形や取り上げた一例だけを解説していきます。

オーバーツーペア

ボード

手札

ボードのいずれのカードよりも高いポケットペアによるツーペアをオーバーツーペアと呼ぶことにします。

上の例のようなボードペアの数字が低く、ボードヒットのツーペアが高い数字(上では K)で、自分のポケットペアがそれよりも高い数字の場合は、スリーカードがヒットしにくく、自分より低いツーペアがヒットしやすいため、ストロングハンドとみなされ、これがペアボードで一番良いツーペアです。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

プリフロップでレイズ無しか主導権有りならば、2ベットまでレイズします。

主導権が無い場合は、プリフロップレイザーのチェックを待ってから2ベットまでレイズします。

コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

追加する金額が2ベット分までならコールします。

ボードペアより上のツーペア

ボード

 

手札

先ほどのオーバーツーペアと違い、上のポケットペアをうっかりさせるようなテクニックは使えません。

相手にスリーカードが入っていても逆転の可能性はありますが、そのカードは2枚しかありません。

そのため、未ベットで2ベット以上が入った場合は降りるのが基本です。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

プリフロップでレイズ無しか主導権有りならば、1ベットします。

主導権が無い場合は、プリフロップレイザーのチェックを待ってから1ベットします。

コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

追加する金額が1ベット分までならコールします。

ボードペアより下のツーペア

ボード

手札

ボードペアより下のツーペアでは、相手にスリーカードを持たれていた場合に、逆転の可能性がほぼありません。

また、ボードペア自体も高い数字の場合が多く、相手のスリーカード率が高まっています。

そのため、先ほどよりもコール基準が厳しくなります。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

プリフロップでレイズ無しかオリジナルレイザーの主導権有りかつ相手の未チェック1人以下ならば、1ベットします。

オリジナルレイザーとは、プリフロップで最初のレイズを行った人のことです。
コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

自分以外にプリフロップ3ベット以上がいなければ、追加する金額が1ベット分までならコールします。

自分以外にプリフロップ3ベット以上がいる場合は、1ベットまでならコールします。

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モンスタードロー

細分化しないといけないハンドなのですが、1ページに収まり切りませんので、一例だけを取り上げます。

ボード

手札

フラッシュとストレート両方のドロー(リーチ)がかかっている形をモンスタードローといいます。

本来は、モンスター級に強いハンドであることが多いのですが、ペアボードになっているため、上の例くらいの条件でもベリーストロングまで弱体化しています。

ボードのカードの数字が高いほど相手のヒット率が高まるため、より弱体化します。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

2ベットまでレイズします。

コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

絶対に降りません

 

フラッシュドロー

細分化しないといけないハンドなのですが、1ページに収まり切りませんので、一例だけを取り上げます。

ボード

手札

フラッシュドロー(リーチ)の場合も、やはり弱体化します。

上の例でストロングハンド級です。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

プリフロップでレイズ無しか主導権有りならば、2ベットまでレイズします。

主導権が無い場合は、プリフロップレイザーのチェックを待ってから1ベットします。

ただし、主導権者かつオリジナルレイザーのベット順が最後で1ベット打ってきた場合は、2ベットレイズ打ち返します。

コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

追加する金額が2ベット分までならコールします。

 

オープンエンドストレートドロー

細分化しないといけないハンドなのですが、1ページに収まり切りませんので、一例だけを取り上げます。

ボード

手札

オープンエンドストレートドローでも、やはり弱体化は避けられません。

自分からの2ベットは、かなり条件が揃わないと厳しいです。

ベット基準(上の例の場合)

上の例では、

プリフロップでレイズ無しか主導権有りならば、1ベットします。

主導権が無い場合は、プリフロップレイザーのチェックを待ってから1ベットします。

コール&フォールド基準(上の例の場合)

上の例では、

追加する金額が2ベット分までならコールします。

 

その他

その他のガットショットやノーヒットでは、ブラフを打つかどうかの選択になります。

ノーペアボードでは、ブラフを打てば微妙なペアの相手が降りる可能性がありましたが、ペアボードはヒット率が低いため、何らかのヒットがあれば降りない可能性が高いです。

そのため、ヒットしているかどうかの判断と、コールされた場合、自分のハンドにオーバーカードやバックドアドローなどの保険が効いているかは、重要な要素といえます。

オーバーカードとは、ボードよりも高い数字の手札のことです。
バックドアドローとは、役の完成に2枚必要な状態(3枚フラッシュなど)のことです。

詳しく知りたい方は、以下の記事をペアボードに置き換えて見れば、参考になると思います。

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まとめ

 

ペアボードでは、すでにワンペアがあるため、2枚絡めば超大物手ができ、1枚絡みでも大物手ができてしまうことがあります。

その反面、ヒット率は下がっているという要素もあります。

以上のことから、何らかのヒットがあれば、1ベットはコールした方がよい場合が多いですが、同時に大物手同士の打ち合いに巻き込まれないように注意しましょう。

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