ブラフ

リミットホールデム戦略
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ブラフとは、嘘、はったりのことで、ポーカーにおいては、ベストではない手からベットやレイズすることを指します。

大きく賭けることのできるノーリミットルールにおいては、使用する機会も多く、花形の作戦だと思っている方も多いことでしょう。

しかし、賭け幅の決まっているリミットルールにおいては、やみくもに使用してもコールされてしまうことが多く、地味な存在です。

とはいえ、全く使用する機会が無いわけではなく、ここぞで使えば、ライバルとの差をつけることができるでしょう。

というわけで、今回はリミットホールデムのブラフについて解説していきたいと思います。

ただし、他ルールでは、ほぼ使えない内容になっておりますので、ご注意ください。

 

ブラフの種類

 

ブラフには以下の2種類があります。

 

セミブラフ

ボード

手札

セミブラフとは、恐らく現状ベストハンドではないが、あとから来るカードによっては、ベストハンドになりうる手札の時に行うベットやレイズのことです。

上の例では役無しですが、クラブがもう1枚来ればフラッシュができるので、セミブラフを行いやすいハンドといえるでしょう。

また、オーバーカードやバックドアドローは、上の例よりもベストハンドになる確率が下がりますが、ベットやレイズをすれば、広義ではセミブラフに入ります。

オーバーカードとは、ボードよりも高い数字の手札のことです。
バックドアドローとは、役の完成に2枚必要な状態(3枚フラッシュなど)のことです。

 

ピュアブラフ

ボード

手札

 

ピュアブラフとは、上のような、このあと何が来てもほぼベストハンドにならない状態から行うベットやレイズのことです。

固定額しか上げられないリミットルールにおいて、このブラフを多用すると、手がバレてコールされやすくなってしまい、場合によってはレイズ返しされる可能性もあるので注意が必要です。

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ブラフのベット数

 

強いセミブラフ(強いフラッシュドローやオープンエンドストレートドロー)については、トップペアと同等のベットができますので、ここでは扱いません。

弱いセミブラフ~ピュアブラフのベット数としてご覧ください。

フラッシュドロー、ストレートドローとは、あと1枚でその役が完成する状態のことです。
オープンエンドストレートドローとは、5678のような待ちが二つ(4と9)ある形です。

強いセミブラフは、こちらの記事を参照してください。

セミブラフ
セミブラフとは、恐らく現状ベストハンドではないが、あとから来るカードによっては、ベストハンドになりうる手札の時に行うベットやレイズのことです。 現状、役が無いことが多いので、ベットをためらいがちですが、思い切ったベットをすれば、相手が降りる...

 

ベット数の限界

リミットルールにおいて、役無しでマックス4ベットまで打ち合えば格好いいですが、ほぼ100%負けます。

固定額ずつで、その間4回上げ合っているわけで、0から4ベットしたわけではないため、自分はともかく、3ベットした相手には手が入っている可能性が非常に高いからです。

基本的には、1ベットのブラフを打ち、2ベットで返されたら降りるのがよいです。

相手から1ベット打たれた場合は、ブラフと読めた場合のみ2ベットで返しますが、使う機会はそれほどないでしょう。

というわけで、ベット数の限界は2ベットということになります。

 

ベット数の力関係

ブラフが少ない、1ベットブラフまで、2ベットブラフまでの3つには、それぞれ力関係があります。

ブラフが少ない vs 1ベットブラフまで

ブラフが少ない  1ベットブラフまで

この対決は、1ベットブラフまでの方が強いです。

ブラフが少ないと、一方的にブラフでチップを抜かれるためです。

1ベットブラフまで vs 2ベットブラフまで

1ベットブラフまで  2ベットブラフまで

この対決は、2ベットブラフまでの方が強いです。

1ベットブラフを多用すると、見抜かれて2ベットされた時に降りるしか手立てが無くなるためです。

2ベットブラフまで vs ブラフが少ない

2ベットブラフまで  ブラフが少ない

この対決は、ブラフが少ない方が強いです。

ブラフが少ない人には、1ベットでも確実に手が入っており、2ベットのブラフが空振りに終わるためです。

結局どうすればいいの?

基本的には、1ベットのブラフを打ちますが、ノーヒット確実と思われていて、相手にはヒットしているかもしれない時は打たないようにします。

自分がハイカードの手札を中心に残るタイプで、ボードはローカードばかり、相手は手広く残るタイプだったような場合がそれに当たります。

これで1ベット時のブラフ率が下がるため、相手からすると2ベットのブラフが打ちにくくなります。

相手からの1ベットがブラフと読めた場合のみ、たまに2ベットブラフをするとよりよいでしょう。

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フロップのブラフ

 

多くのブラフはフロップに行います。

プリフロップはカードが見えていないため、やみくもにブラフをするより、前回の記事を参照した方がよいでしょう。

プリフロップ戦略
テキサスホールデムで手札2枚だけの第1ラウンドをプリフロップといいます。 たった2枚ですが、ここでのベット行動で半分くらいの方向性が決まるので、手札ごとにどうするかを決めておかなくてはいけません。 しかし、とりわけ初心者は、「まだ手札が2枚...

ターンとリバーは、ベット単位が2倍に上がってリスクも上がるため使用頻度が下がります。

手札2枚だけのラウンドをプリフロップ、そこからボードにカードが3枚出たラウンドをフロップ、そこからボードに1枚追加されたラウンドをターン、そこからボードに最後の1枚が追加されたラウンドをリバーといいます。

 

成功しやすい条件

やみくもにブラフを打てば、返り討ちに遭います。

固定額ずつのレイズではプリフロップであまり降りてくれないため、フロップでも誰か一人くらいはヒットしているためです。

以下に示す、成功しやすい条件のほとんどを満たしている場合のみ、ブラフを打ちましょう。

強いセミブラフ(強いフラッシュドローやオープンエンドストレートドロー)については、トップペアと同等のベットができますので、ここでも扱いません。
弱いセミブラフ~ピュアブラフの条件としてご覧ください。

チェックで回って最後から2番目以内か残り人数3人以下

4人以上残っている時は、誰かに手が入っている可能性が高いため、チェックで回って誰も手が入っていないと分かってからの方が成功しやすいです。

それもできれば、最後から2番目以内の順番で、ほとんどの対戦相手のチェックを見届けてからの方がよいです。

残り4人以上の時は、コールされた場合に備え、ピュアブラフは避けましょう。

また、多人数より3人以下の方がヒット率が低いため成功しやすいです。

他条件にもよりますが、3人以下の場合は順番をそれほど気にしなくてもよいでしょう。

プリフロップ最終レイザーが自分かレイズ自体が無かった

プリフロップで最後にレイズしたのが自分であった場合、相手からすると、ボードのハイカードヒットやポケットペアの可能性が否定できないため、成功率が高まります。

ただし、プリフロップの最終レイズが4ベットであった場合は、相手3ベッターの役有り率が高いため、コールされやすいです。

また、プリフロップでレイズ自体が無かった場合も狙い目です。

ポットの金額が少ないので、オーバーカードやガットショットの相手は、降りてくれるかもしれないからです。

ただし、自分がビッグブラインドの場合は、全くベットを足さずにフロップに進んでいるため、手札が弱いと思われて失敗しやすいです。

ドライボード

ボード A (理想的)

 

ボード A のようなハイカードが1枚だけあって、フラッシュやストレートの可能性が低いドライボードが理想的です。

相手からすると、ハイカードヒットの可能性が否定できず、フラッシュやストレートのドロー(リーチ)といったコールするための手材料も無いからです。

フラッシュやストレートのドロー(リーチ)ができにくいボードを「ドライボード」といいます。

ボード B (失敗しやすい)

ボード C (失敗しやすい)

ボード D (失敗しやすい)

逆に、ボード B ~ D のようなウェットボードでは、失敗しやすいので注意が必要です。

ドライボードとは逆に、フラッシュやストレートのドロー(リーチ)ができやすいボードを「ウェットボード」といいます。

ボード B はフラッシュ、ボード C はストレートができやすいため分かりやすいですが、ボード D はなぜ?と思った方もいると思います。

ボード D は、ハイカードが3枚も出ているため、相手にどれか一つくらいはヒットしている可能性が高く、またガットショットもできやすいからです。

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ターンのブラフ

 

ターンはベット単位が2倍になるため、それほどブラフを多用しませんが、全く使わないわけではありません。

また、フロップではトップペア並みだった、強いフラッシュドローやストレートドローは、あと1枚しか引けなくなったため、価値が落ちています。

詳しくは、以下で全て解説していきます。

 

強いセミブラフ

フロップまでより、強いフラッシュドローやオープンエンドストレートドローの価値は落ちましたが、全くベットしないわけではありません。

  1. フロップ最終ベッターかレイザーが自分、もしくはチェックで回った
  2. 残り人数が3人以下

以上の条件を全て満たしていれば、相手が全員降りる可能性と役が完成する可能性の両方があるため、ベットすることができます。

 

弱いセミブラフ~ピュアブラフ

ターンまで来ると、この条件でブラフをするのは、かなり苦しいです。

フロップでコールした相手には、何かしら入っていると考えられるからです。

ボード A (失敗しやすい)

ボード A のようにフロップのハイカードが Q 以上の時は諦めましょう。

フロップでコールした相手に K が入っている確率が非常に高いです。

ボード B (成功しやすい)

ボード C (微妙)

 

ボード B は、A がヒットしてなければダメな気がしますが、相手からすると、こちらがフロップ~ターンと連続ベットでくれば、ヒットしているように見えます。

ボード C は、ベットしてもヒットしているように見えるか微妙ですが、オーバーカード2枚を持っていれば、まだブラフが打てそうです。

  1. フロップ最終ベッターが自分
  2. 残り人数が2人

ただし、ブラフが打てそうなボードと手札の条件を満たしていても、上記二つの条件を満たしていなければ、ブラフは上手くいきません。

主導権と人数も大事なのです。

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リバーのブラフ

 

リバーは、フロップよりベット単位が2倍な上、全員の役が確定しているため、滅多なことではブラフなど決まりません。

また、ドローの価値は完全にゼロですので、ブラフは全てピュアブラフです。

ここでは、数少ない成功しやすい条件を解説します。

 

成功しやすい条件

ボード

上のように、最後でハイカードが来ていれば、ベットすることにより、ヒットしたと思わせることが可能です。

ただし、フロップ~ターンと続けてコールしてきた相手は、恐らくここでベットしても降りません。

  1. フロップ~ターンまで全てチェックで回った
  2. 残り人数が2人

そこで更に、上記二つの条件が必要となります。

これら全ての条件を満たすことは滅多にないですが、覚えておいて損はないでしょう。

 

まとめ

 

リミットルールでも上手くいくブラフの条件というのが分かっていただけたことと思います。

全くブラフを打たないのも、やみくもに打ちすぎるのもいけません。

大筋で条件を守りつつ、味付け程度にブラフを打っていけば、成績も上がっていくので、思い切ったプレイを心がけましょう。

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