テキサスホールデムでボードのうちのランクが1番目のカードがヒットしたペアをトップペア、それよりも高いポケットペアをオーバーペアといいます。
トップペアは比較的ベットしやすいハンドですが、キッカー負けなどのリスクもはらんでいます。
とはいえ、正しくベットをすれば、利益の出るハンドですので、ここでしっかり戦略を学んでいきましょう。
ただし、テキサスホールデム・リミットルールでの解説ですので、他ルールでは、全てを活用できないことをご了承ください。
トップペアのオッズとアウツを考慮するのか
まずは、トップペアのオッズとアウツを考慮するのかについて考えていきます。
オッズとアウツについて全く知らない方は、この記事を参照してください。
考慮したくなる時とは
ボード
自分の手札
手札 A
手札 B
手札 C
トップペアの場合、相手の1ベットに対してはコールすることが多いので、そのあと別の相手から2ベットされた場合などにオッズを考慮したくなります。
しかしながら、上の例のような場合、ベットやレイズをしてきた相手に手札 A が入っていたら、スリーカードになった時にキッカー負けするため、A のアウツが全く無意味になります。
また、手札 A に加え、手札 B や C といったフラッシュやストレートのドロー(リーチ)にも挟まれていた場合、ますます手札をアウツとしては数えにくくなります。
結論
コールは、現状のハンド価値や勝率に従って行う方がよいでしょう。
トップペアのハンド評価
比較的強いトップペアやオーバーペアですが、ペアやキッカーの数字によっては弱くなることもあります。
ここでは、数字別に大まかな評価を示していきます。
ペアの数字別評価
まずは、ペアの数字別評価です。
オーバーペアは、手札のキッカーが無いので、この評価のみで判断しましょう。
ランク 1
ランク 2
ランク 3
ランク 4
ランク 5
キッカーの数字別評価
次にキッカーの数字別評価です。
ペア + キッカーの評価は、このあとに解説します。
ベストキッカー
ベリーグッドキッカー
グッドキッカー
マージナルキッカー
プアまたはノーキッカー
ペア + キッカーのハンド評価
ペアとキッカーの評価を組み合わせて一つのハンド評価にします。
この評価は、あとに解説するベット戦略でそのまま使えます。
ベリーストロング
K ペア + ベストキッカー
ストロング(強)
K ペア + ベリーグッドキッカー
Q ~ J ペア + ベリーグッドキッカー以上
ストロング(弱)
K ペア + グッドキッカー
Q ~ J ペア + グッドキッカー
T(10)ペア + ベストキッカー
マージナル
K ペア + マージナルキッカー
Q ~ J ペア + マージナルキッカー
T(10)ペア+ ベリーグッド ~ グッドキッカー
9以下ペア + マージナルキッカー以上
プア
トップペアのベット戦略
では、先ほどまで解説していたハンド評価をもとに、実際のベット戦略を組み立てていきましょう。
フロップのベット戦略が中心ですが、ターンとリバーについても軽く触れます。
※基本的にドライボードを想定した戦略ですので、その点ご注意ください。
フロップ
ボードにカードが3枚出たフロップにおいて、トップペアやオーバーペアを握っているあなたは、大抵の場合、有利に立っています。
以下に示すベット方法を基本にするとよいでしょう。
オーバーペアの場合
ボード
手札
上のようなボードのトップカード(例では J )よりも上のポケットペア(例では A )をオーバーペアといいます。
J のトップペアを持っている相手と戦えば、こちらに負けていると気付かずコールしてくれるでしょう。
ランク 1 (A) のオーバーペア
ボード
手札
ベット基準
ボードのトップカードが J 以上の場合は、主導権の有無に関係なく2ベットまでベットまたはレイズします。
ボードのトップカードが T(10)以下の場合は、主導権の有無に関係なく1ベットします。
トップペアの相手が高確率で1ベット打ってくる数字かどうかが2ベット打ち返す基準です。
コール&フォールド基準
ボードのトップカードが J 以上の場合は降りません。
ボードのトップカードが T(10)以下の場合は、追加する金額が2ベット分までならコールします。
ランク 2 (K ~ Q) のオーバーペア
ボード
手札
ベット基準
主導権無し且つ主導権者にまだベットの順番が回っていない場合は、とりあえずチェックして、その後は主導権有りの時と同じようにベットします。
ボードのトップカードが J 以上の場合は、主導権の有無に関係なく2ベットまでベットまたはレイズします。
ボードのトップカードが T(10)以下の場合は、主導権の有無に関係なく1ベットします。
コール&フォールド基準
追加する金額が2ベット分までならコールします。
ランク 3 (J ~ T(10)) のオーバーペア
ボード
手札
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合1ベットします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から4ベット打たれていた場合は、ベットされた時点で降ります。
それ以外は、追加する金額が1ベット分までならコールします。
ランク 4 (9以下) のオーバーペア
ボード
手札
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
残り人数3人以下で主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合1ベットします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から4ベット打たれていた場合は、ベットされた時点で降ります。
それ以外は、追加する金額が1ベット分までならコールします。
トップペアの場合
ベリーストロング
K ペア + ベストキッカー
ベット基準
主導権の有無に関係なく2ベットまでベットまたはレイズします。
コール&フォールド基準
絶対に降りません。
ストロング(強)
K ペア + ベリーグッドキッカー
Q ~ J ペア + ベリーグッドキッカー以上
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合は、2ベットまでベットまたはレイズします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から4ベット打たれていた場合は、追加する金額が1ベット分までならコールします。
それ以外は、追加する金額が2ベット分までならコールします。
ストロング(弱)
K ペア + グッドキッカー
Q ~ J ペア + グッドキッカー
T(10)ペア + ベストキッカー
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合は、1ベットします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から4ベット打たれていた場合は、オーバーペアが無さそうなら1ベットまでコール、ありそうなら降ります。
それ以外は、主導権無しなら追加する金額が1ベット分までならコール、主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しなら追加する金額が2ベット分までならコールします。
マージナル
K ペア + マージナルキッカー
Q ~ J ペア + マージナルキッカー
T(10)ペア+ ベリーグッド ~ グッドキッカー
9以下ペア + マージナルキッカー以上
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
残り人数3人以下で主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合1ベットします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から4ベット打たれていた場合は、ベットされた時点で降ります。
それ以外は、手によってさまざまですが、1ベットまでならコールすることが多いです。
プア
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
残り人数2人で主導権有りまたはプリフロップでレイズ無しの場合1ベットします。
コール&フォールド基準
プリフロップで相手から3ベット以上打たれていた場合は、ベットされた時点で降ります。
それ以外は、1ベットまでコールします。
ターンとリバー
ターンとリバーは、フロップに比べてもう少し単純に考えることができます。
ターンまたはリバーでトップペアができた場合を除き、フロップでのベット行動を引き継ぐことが多いからです。
以下で簡単に解説していきます。
ターンまたはリバーでトップペアができた場合
ボード
自分の手札
ベット基準
主導権の有無に関係なく1ベットします。
主導権が無くても、相手が持っているのは以前のラウンドのトップペア(例では Q )である可能性が高いからです。
コール&フォールド基準
追加する金額が1ベット分までならコールします。
前のラウンドからあるトップペアまたはオーバーペアの場合
ボード
自分の手札
ベット基準
主導権が無い場合はチェックします。
主導権がある場合は1ベットします。
コール&フォールド基準
追加する金額が1ベット分までならコールします。
まとめ
トップペア戦略について書きましたが、フロップでの条件は少々複雑で読みにくくなったかもしれません。
フロップにおいても、主導権があればベットして、無ければチェックするとしておくだけでも、大概は問題ないと思います。
実戦的には、キッカー負けや相手オーバーペアの危険を態度や癖で見抜いて判断する部分もあるので、経験も積んでいきましょう。
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